2016/3/12 名古屋ウィメンズマラソンまであと1日 
      NAGOYAを彩る女性ランナーたち 
      D沼田未知(豊田自動織機) 
      初マラソンだが中盤でリズムに乗る可能性も 
       
       初マラソンだが、沼田の力は“未知”というわけではないのかもしれない。 
 
 赤羽周平コーチは沼田の特徴を「大きく崩れないこと」だと言う。 
「調子の波が小さいですし、それでいて必ず調子が良いときが来る。朝のジョッグを見て、これは(本練習を変えないと)ダメだろうと思っても、なんとかまとめてくる」 
 1km×15本を予定していた日の朝練習を見て、本練習は難しいと感じたことがあった。しかし最初の3本くらいはきつそうに走っていたが、4〜7本目くらいから動きがよくなり、10本を過ぎてからエンジンがかかってきたという。 
「最後の1本は3分を切ってきました。昨年、1万mで代表を目指していた頃は、そこまで上げることはできませんでした。予定した練習を1回の変更もなく行うことができた」と赤羽コーチ。練習タイムの上方修正はしても、下方修正はなかった。 
 
 豊田自動織機は過去に、小出義雄代表の佐倉アスリート倶楽部に指導を委託していた時代に千葉真子や脇田茜がマラソンにも取り組んでいたが、愛知に拠点を移してからはトラックと駅伝に絞ってきた。マラソン志向のあった沼田は赤羽コーチ就任時に、すぐにでもマラソンに出たい意思を伝えたが、赤羽コーチが「最低でもハーフで1時間9分台を出してから」と伝えた。 
「目標は何なのか、と確認しました。2時間半のマラソンなら、1人でやっても行けるわけですが、本人は本気でオリンピックに出場したい、と言ってきました。だったら最低でもこの練習ができなかったら、代表争いにかすりもしないよ、と。そこを話し合ったら本人もすっきりした様子でした」 
 すると沼田は、約1年後の全日本実業団ハーフマラソンに1時間09分27秒で優勝した。 
「20kmの練習はそれほどしていなかった」(赤羽コーチ)というから、長い距離への適性は明らかだった。 
 
 赤羽コーチは、以前指導していた赤羽有紀子(08年北京五輪トラック代表。11年テグ世界陸上マラソン5位入賞)よりもトラックのスピードがないことは認め、マラソンでも「最初からガンガン行くことはできない」と言う。 
「(名古屋ウィメンズマラソンでも)その見極めはしていく必要がありますが、中盤から必ず良くなる。押して、押して行って最後に落ちていく走りをするタイプではありませんね」 
 
       ペースメーカーの設定は前日のテクニカルミーティングで16分55秒〜17分00秒と決まった。15年4月の兵庫リレーカーニバル1万mで優勝し、7月のアジア選手権で日の丸も経験した(3位)沼田なら、ガンガン行かなくてもリズムに乗れるペースにできるかもしれない。沼田が自分のリズムがはまったとき、中盤から積極的に前に行く走りをすることは予想できる。 
 
       
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